恋するウサギちゃん速報

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人生初二郎系ラーメン

金曜日の夜、前から気になっていた美味しいと評判のラーメン屋さんに足を運んだ。いわゆる二郎系の店である。想像より内装は綺麗で清潔感があった。きたな美味い店を想像していたので拍子抜けだ。システムがよく分からないのだがどうやら食券式のようだ。大食いでは無いので小さめのサイズにしたかったが何故か見当たらない。したかないので豚マシというやつにした(1100円、高いよ)。すると食券ではなく緑色のカードみたいなものが出てきた。それを手にし席に座ろうとすると外でお待ちくださいと店員さんに誘導された。外には既に6人くらいが並んでいる。その後ろに並ぶことにする。店内にはいくつか空席があったはずだがなかなか進まない。というより店に呼ばれる人が居ないのだ。不思議だなと思いながら待つこと十数分、いよいよ案内された。席は全てカウンターでコの字になっている。12番、1番角席にお願いしますと言われたのでそこに座る。小綺麗な店内とは裏腹に殺伐とした空気が流れていた。どうやら12人店に入れる、全員が出る、また次の12人を入れる、というシステムのようだ。すると店主が僕とは逆端の人に向かって、「ニンニク入れますか?」とかなりの声量で問いだした。すると聞かれた人は「カラメ」と答えた。意味がわからなかったが、店主はそのまま次の人にニンニクを入れるかどうかを問う。次の人は「全部マシマシ」と答える。次の人もその次の人も聞きなれない単語で返事をする。コールの仕方など聞きたかったがあまりのテンポに質問を挟む隙を見いだせなかった。僕の番まで残り8人。何とか規則性を見出し答えなければ…

 

僕の番が来た、コールが終わるまでラーメンが提供されないようなので、コールの種類はある程度把握したがそれがどんなオプションを指すのかが分からなかった。とりあえず僕は野菜はあまり要らないなと思ったので「野菜普通他マシマシ」と返事した。

 

数分後化け物みたいな量のラーメンが目の前に出される。食いきれんのかこれ…?と思いながらも手をつける。味が濃い、かなり濃い。薄味派なのでキツかった。量も多いが雰囲気的に残しにくいししかも店の回転的にもちんたら食ってはいられない。とんでもない量のラーメンを口にほおりこむ。高校生の頃ラグビー部合宿で顧問に吐く手前まで食わされたことを思い出す。1100円払って飯トレしに来たみたいになっていた。周りの客もきつそうだった。会話は生まれていないがそこには確かに一体感があった。苦しくとも前に進まなければならない、そんな過酷な状況が仲間意識を産んだのだろう。3年間苦楽を共にしたチームメイト達のことが頭によぎった。吐く手前まで来たが何とか食べ切れた。達成感と共に店を出る。同じタイミングで他の人らも店を出たので、思わず声をかける。

 

「やり切りましたね!しかしとんでもない量でしたね〜!」

 

周りの人達は冷たい目で僕を一瞥したあと直ぐに目を逸らした。そんな中1人が「あんなもんでしょ、普通」と返事をする。

 

どうやら仲間意識を覚えたのは僕だけだったようだ。

 

次の日は下痢が止まらなかった。多分もう行くことはないだろう。