相加・相乗平均の関係の証明
お久しぶりです!
蒸し暑い日が続いていますが皆様はお元気ですか?いよいよ夏という感じがしますね。
ところで夏といえば何を思い浮かべるでしょうか?
そうですね、数学です*1。というわけで、今回はAM-GM不等式を証明していきます。色んなやり方が知られていますが今回は位相の知識を使って示そうと思います。位相を使うので高校生の読者さんには少し申し訳ないのですが、なるべくわかりやすく説明したいと思います。
ではやっていきます。示したい内容はご存知の通り次の不等式です。
x_1,・・・x_n≧0に対して(x_1+・・・+x_n)/n≧(x_1・・・x_n)^1/nが成立する。
proof
k≧0に対して
D_k={(x_1,・・・,x_n)∈ℝ^n|x_1+・・・+x_n=k,x_1≧0,・・・x_n≧0}とする。
Lemma1
D_kはコンパクト
これは良いでしょう(有界閉なので)
Lemma2
コンパクト空間上の実連続関数は常に最大値を持つ
証明は読者さんに任せます。
位相の知識がない方向けに補足しておくと、D_kを定義域として実数値を返すような関数は常に最大値を持つということを示しました。イメージ的には[a,b]から実数値への連続関数って端っこがあってしかも繋がってる訳ですからどこかで最大値を取ってそうですよね?D_kも定め方的に端っこがありそうですからD_kから実数値への連続関数は最大値を持ってそうって話です*2。
Lemma1,2よりf:D_k→ℝ (x_1,・・・x_n)⟼x_1・・・x_nは最大値を持つ。最大値を与えるような点を(y_1,・・・y_n)とすると、y_1,・・・,y_nが全て0でないことは容易にわかる。次に、y_1=・・・y_nであることを示す。そうでないことを仮定すると、i≠j(1≦i<j≦n)であってy_i≠y_jであるものが存在する。これに対して、
f(y_1,・・・y_i,・・・y_j・・・y_n)
<f(y_1,・・・(y_i,+y_j)/2,・・・(y_i+y_j)/2,・・・y_n)
が従う*3ため*4、(y_1,・・・y_n)の取り方に矛盾する。よってy_1=・・・y_nが成立する。従ってf(x_1,・・・x_n)≦f(y_1,・・・y_n)=y_1・・・y_n=(k/n)^nとなり、あとは両辺のn乗根を取ると題意は示される。
以上です。思いのほか簡単ですね。てかfが最大値をとることさえ認めてしまえばもう初等的な式変形だけで解決できちゃいますね。最近色々あってなんか何に対してもやる気がでないので暇ではないですけど変に時間を持て余したりしています。なので何かブログのネタがある人は質問箱等に入れてくれたらそれについて書いてみたいなと思います(あんまり難しい数学の話とかは書けないけど)。